2025年10月19日
スマホより「おさんぽ」がおすすめな理由~脳と言葉の発達の視点から~
「外に出るのがちょっと面倒だから」「静かにしていてくれるから」
つい、お子さんにスマホで動画を見せていませんか?
もちろん、親にも休む時間は必要です。スマホや動画を見せることが「悪い」という話ではありません。でも、乳幼児期や発達がゆっくりなお子さんにとっては、スマホよりも“おさんぽ”の時間の方が、脳やことばの発達にとって大きな意味があるんです。
今回は、発達障害・グレーゾーンのお子さんにも大切な「さんぽ時間」の力について、わかりやすくお伝えします。
①五感を刺激する体験が脳を育てる
おさんぽに出ると、
…と、たくさんの五感が自然に刺激されます。これは、脳のさまざまな領域を一度に使う「総合的な学び」です。
一方、スマホや動画は主に“目と耳”だけの刺激で、しかも受け身。脳の使う部分が限られてしまいがちです。
②言葉の発達は「やりとり」で育つ
発達がゆっくりなお子さんは、ことばを覚えるときにも「双方向のやりとり」がとても大切です。
おさんぽ中は、
👩👦「ワンワンいたね!」
👦👉(指差し)
👩👦「そうそう!ワンワン、バイバーイ!」
このような 視線・指差し・声のキャッチボール が自然に起こります。
こうした「共同注意」や「応答的な語りかけ」は、ことばを育てるうえで欠かせない要素です。
動画には、残念ながらこうしたやりとりはありません。一方通行になってしまうのです。
③身体を動かすことが脳を活性化
歩く、しゃがむ、拾う、指差す…
おさんぽは自然と全身を使います。これは脳の前頭葉や小脳を活発に働かせ、集中力やことばの理解を伸ばす土台になります。
スマホの前では、体も止まり、脳の活動も限られてしまいます。
④親子の心が通う時間になる
「これ、なあに?」「見て見て!」
おさんぽは、お子さんと親御さんの心をつなぐ大切な時間でもあります。
言葉が少なくても、「目を合わせる」「指をさす」「一緒に笑う」だけで、安心感や自己肯定感が育ちます。これが、発達のベースになる「心の土台」です。
スマホや動画は便利なツールですが、乳幼児期や発達に凸凹があるお子さんにとっては、「おさんぽの時間こそが『最高の教材』です。
外に出て、風を感じ、親子で見たものを共有する――
それだけで、脳もことばも、心もしっかり育っていきます🌱
ぜひ、1日10分でもOKです。
スマホを置いて、お子さんと一緒に外に出てみませんか?