2025年11月04日
発達障害・グレーゾーンの子どもに「絵本の読み聞かせ」が役立つ理由

子どもに絵本を読む時間は、あたたかくて静かなひととき。
それだけではありません!実はこの時間、言葉・心・社会性の発達を支える、とても大切な学びの時間でもあります。
発達障害やグレーゾーンの子どもたちにとって、絵本の読み聞かせは「やさしい療育の第一歩」。
今日は、その理由をお話ししますね。
言葉の力をゆっくり育てる
発達に凸凹のある子どもは、「言葉を聞く・理解する・使う」ことが少し苦手な場合があります。
絵本は、その力を自然に育ててくれる存在なのです。
絵とことばが結びつくことで、意味がわかりやすくなります。
「リズムのあることば」「くり返しの表現」は、子どもの耳に心地よく残ります。
同じ絵本を何度も読んであげるうちに、ことばが少しずつ定着していきます。
ことばは、安心の中で育ちます。
大好きな人の声で聞くことばほど、心に届くものはありません。

コミュニケーションの土台を作る
読み聞かせは、ただ「読む」だけではなく、「対話の時間」です。
「どう思う?」「どんな気持ちかな?」と問いかけながら読むことで、
相手の気持ちを想像したり、自分の考えを伝えたりする力が育っていきます。
発達障害の子どもたちは、会話のキャッチボールが苦手なこともありますが、絵本の世界を通してなら、自然と心のやりとりが生まれます。
親子で共通の話題ができることも、信頼関係を深める大きなきっかけになるのです。
安心感と情緒の安定をもたらす
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、感覚に敏感だったり、気持ちが揺れやすかったりします。
そんなとき、絵本の読み聞かせは心を落ち着かせる「安心の儀式」になります。
優しい声、一定のリズム、ひざの上のぬくもり――
それらが心を安定させるホルモン(オキシトシン)を分泌させ、リラックスを促します。
毎晩「絵本の時間」があるだけで、生活リズムが整い、安心して眠れる子も多いのです。
想像力と自己表現の芽を育てる
絵本の中には、現実では出会えない世界や感情がたくさんあります。その世界に「安全に入りこめる」ことが、発達障害・グレーゾーンの子どもたちにとって大きな経験になります。
登場人物の気持ちを感じたり、自分の気持ちを重ねたりする中で、感情を理解し、表現する力が育ちます。
「絵本のあとにお絵かきをする」「お話を作ってみる」といった活動につなげると、想像力と自己表現がぐんと広がります。
おわりに
絵本の読み聞かせは、ただの「お話タイム」ではなく、子どもの発達を支える大切な「親子の対話の時間」です。
1冊の絵本にこめられた時間が、ことば・心・想像力をじっくりと育ててくれます。
毎日少しの時間でもかまいません。
あなたのお子さんの好きな絵本を、笑顔で読んであげてくださいね。
それがきっと、子どもの心の「根っこ」を育てる力になります🌼