2025年11月03日
🎵楽器を弾くことが発達障害グレーゾーンの子どもの脳と心に良い理由

「音楽が好き」「ピアノを触っていると落ち着く」
そんなお子さんはいませんか?
実は、楽器を弾くことには、発達障害グレーゾーンの子どもたちにとって「脳と心を育てる」たくさんの力があります。
1. 脳をまるごと使う!バランスのとれた発達をサポート
楽器演奏では、右手と左手を同時に動かし、耳で音を聴きながら、目で楽譜を追います。
この「複数の感覚を同時に使う」活動は、脳のさまざまな領域を一度に刺激します。
たとえばピアノなら、右手と左手が違う動きをすることで左右の脳がバランスよく働き、注意の切り替えやワーキングメモリ(頭の中で情報を保つ力)も鍛えられます。
リズムに合わせて体を動かすことは「脳の時間感覚」を整える練習にもなり、「今」「次」「あとで」といった見通しの力を助けます。
2. 心の表現を助け、自己肯定感を育てる
発達障害グレーゾーンの子どもの中には、
言葉で気持ちを表すのが苦手だったり、感情の波が大きかったりする子もいます。
そんな子にとって、音は「もうひとつの言葉」なのです。
悲しいときにはやさしく、うれしいときには元気に。
音を通して自分の中の気持ちを表現することで、心の中のモヤモヤが整理され、情緒が安定しやすくなります。
さらに、練習を重ねて「できた!」という経験を積むことで、
「自分はがんばればできる」という自信=自己効力感が生まれます。
この力は、勉強や友達関係にもつながっていきます。
3. 人と関わる力も育つ
音楽は、ひとりでもできますが、誰かと一緒に奏でるともっと豊かになります。
アンサンブルや連弾では、「相手の音を聴く」「タイミングを合わせる」ことが大切。
自然に「他人の気持ちを感じ取る力」や「協調性」が育ちます。
また、音楽を通して先生や仲間と関われることは、人とのつながりを安心して感じられる貴重な時間になります。
「自分を認めてもらえる場」があることは、子どもの心の支えになります。

まとめ:音楽は「育ちの応援団」
楽器を弾くことは、
まさに、子どもの発達を支える「自然なセラピー」のような活動です。
無理に上手に弾かせる必要はありません。
音を楽しむ時間が、心と脳をじんわり育てていきます。
とは言っても、発達障害グレーゾーンの子どもは、脳の未発達な部分があったり、もちろん好き嫌いもあったりして、そもそも楽器を奏でることに「苦手意識」を持っている場合が多くあります。
音楽の習い事をしていなければ、小学1年生で鍵盤ハーモニカ、3年生でリコーダー、音楽の授業で初めて手にすることになります。45分という短い時間、しかも集団の中で楽器をマスターするのは、なかなか大変です。発達に凸凹のある子どもたちは、この時点でつまずくことが多いようです。「楽器との出会い」というせっかくの素敵なチャンスなのにもったいない!
そのような時、どうやってサポートしたら「楽しい!」と子どもたちが感じられるのか、その方法はまた別の機会にお話ししますね。